※2019/09/07追記
当記事で紹介している「2%キャッシュバック」は、2019年9月30日をもって終了することが発表されました。2019年10月1日からはポイントプログラム「Kyashポイント」が始まり、リアルカードを使うとリアルタイムで1%のポイントが付与されます、また、「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象加盟店で利用すると、さらに5%もしくは2%のポイントが還元されます。詳しくはKyash公式サイトをご確認ください。
目次
誰でも無料で持てる還元率2%のプリペイドカード「Kyash」

――そもそも、Kyashとはどのようなカードなのでしょうか。
Kyash(キャッシュ)とは、2019年2月にサービスが開始されたプリペイド式のカードです。事前にアプリに登録したクレジットカードやデビットカードを使って、Kyashにお金をチャージすることで使えるようになります。
Kyashの最大の推しポイントは、年会費無料にも関わらず、利用金額の2%が翌月キャッシュバックされることです。
つまり、チャージの際に使うクレジットカードの還元率が1%の場合、Kyashのキャッシュバック分の2%と合わせて計3%お得になる、というわけです。
一見クレジットカードと大差ないように見えますが、Kyashはは事前にチャージした分しか使えないプリペイド式のため、使い過ぎる心配がありません。また、発行の際にはクレジットカードのような審査がありません。誰でも無料で持てる還元率2%のカードというのは、僕が知る限りでは他にありません。
―—池さんがKyashを申し込んだきっかけは?
とあるWebサイトの記事で、「Kyashは還元率2%」ということを知ったのがきっかけです。
クレジットカードでチャージした分にもポイントがつくのであれば、損はしないなと。年会費も無料なので、即Webから申し込みました。そのときは申し込みが殺到していたのか、手元に届くまで1ヵ月ほどかかりました。

▲Kyash(リアルカード)の見た目はクレジットカードとほぼ同じ。表面の番号にエンボス加工がない点と、個人名が書かれていない点はクレジットカードと異なる。
ーー他のプリペイド式カードと比べて、Kyashにはどのような特徴があるのでしょうか。
プリペイド式カードといえば、バンドルカードや、auウォレットカードなどが有名どころですが、それぞれに違いがあります。
プリペイドカードに関してチェックしたい点は、ポイントの「貯まりやすさ」と「使いやすさ」です。
「貯まりやすさ」という点では、バンドルカードにはポイントや現金のキャッシュバックサービスはありません。au WALLET プリペイドカードは、200円(税込)につきau WALLET ポイントが1ポイントが貯まります。つまり、還元率は0.5%ですね。
これらと比べても、Kyashの2%還元は高い水準であることがわかります。
プリペイドカード | 還元サービス |
---|---|
Kyash | 決済金額の2%が翌月キャッシュバックされる |
バンドルカード | なし |
au WALLET プリペイドカード | 200円(税込)につきau WALLET ポイントが1P貯まる |
続いて確認したいのは、貯めたポイントの使いやすさです。ポイントが特定の店舗やサービスでしか使えないと、結局使わずじまい…なんてこともあり得ます。
Kyashはポイントが貯まるのではなく、現金がそのままキャッシュバックされます。翌月の残高に自動的に反映されるため、使い忘れることはありません。
このように「貯まりやすさ」と「使いやすさ」の両面で優れているのがKyashだと言えます。
ただし、その他の面で優れた特徴を持つプリペイドカードもあります。たとえばバンドルカードは、キャッシング機能に強みがあります。「ポチっとチャージ」という機能を使えば、手数料はかかってしまいますが手元にお金がない場合でもすぐにチャージすることができます。「給料日まで一次的にしのぎたい」といった場合には便利ですね。
使い勝手はほぼクレカ!Kyashの賢い使い方
――Kyashには、リアルカードとバーチャルカードの2種類があると聞きました。
はい。リアルカードとバーチャルカードの2種類があり、申し込みの際にどちらか選びます。
リアルカードは街中のお店でも、オンライン上でも使えるカードです。バーチャルカードは、オンライン専用のVisaカードです。本物のカードが届くわけではありません。
――リアルカードはどのように使うのでしょうか?
まずはクレジットカードかデビットカードをKyashのアプリに登録し、Kyashにチャージをする必要があります。チャージする金額は1000円から5万円まで選べます。
ただし、すべての国際ブランドのクレジットカードがチャージに使えるわけではありません。対応しているのはVisaとMastercardのみです。JCBは使えません。
チャージしたら、あとはクレジットカードのように使うことができます。会計時に「Visaで」と伝えれば、カードの端末機を使って処理してもらえます。暗証番号の入力は不要ですが、サインを求められることもあります。
ちなみに、利用履歴は決済直後にリアルタイムでアプリに反映されます。いつどこで使ったのかも一目瞭然です。

▲Kyashのアプリ内の利用履歴。店舗名に加え、利用日時と月間支出額がわかる。クレジットカードだと利用履歴に載るまでにタイムラグが生じるが、Kyashはリアルタイムで利用履歴が反映される。
――2%のキャッシュバックは、どのタイミングで?
月末になると、前月分の利用金額の2%が自動的にチャージされます。手続きなども一切不要なので、使い忘れる心配もありません。
――池さんは実際、どのような場面でKyashを使っていますか?
コンビニやスーパー、書店など、買い物をするときはまずKyashを使うようにしています。ただし、Kyashの月の利用限度額は12万円なので、12万円を超えたらクレジットカードを使っています。
ちなみに、Kyashを使う予定がないときはなるべくチャージしないようにしています。カードを落としてしまうと、誰かに使われるリスクもありますからね。不正利用防止のために、アプリにパスコードを設定する機能や、一時的にカードの利用を停止させる機能もあります。
――Kyashにはリアルタイムで送金できる機能もありますが、そちらは使っていますか?
残念ながら僕のまわりにはまだKyashを使っている人がほとんどいないため、送金機能を使うチャンスはまだありません。
ただ、僕は本当にKyashは素晴らしいカードだと思っているので、身近なひとには「とにかくKyashに申し込め」と勧誘しています(笑)。
半年使ってわかった、Kyashの改善点
――ここまで話を聞くと、Kyashは欠点のない素晴らしいプリペイドカードのように思えます。池さんから見たKyashの改善点はありますか?
強いて挙げるなら、ふたつあります。
ひとつ目は、1ヵ月の利用限度額が12万円までと制限されている点です。
たとえば月12万円使った場合は、その2%の2400円までしかキャッシュバックされません。
また、1回もしくは1日あたりの利用限度額も5万円までと制限されているため、高額な買い物に使えない点もデメリットと言えるでしょう。
ふたつ目は、オンラインショッピングでときどき即時決済されないことがある点です。
商品の注文時ではなく、発送確定時に残高が引き落とされるタイプのネットショップの場合、発送確定時に残高が足りず、「もう一度支払いをお願いします」と言われてしまうことがあるようです。
注文のタイミングと、残高が引かれるタイミングに時間差があるネットショップを利用する際は気を付ける必要があります。
――今後Kyashを使い続ける上での懸念点はありますか?
Kyashは1枚のカードにつき利用期限内に使える金額は100万円と決められています。利用金額が100万円に達したら、新しいカードが送られてくるようです。もしかすると新しいカードが届くまでの間、一時的にカードが使えなくなる可能性はあるのかな?と思います。
Kyashと相性のよいクレジットカード
――ここからは、Kyashと相性のよい、池さんのおすすめクレジットカードについて教えてください。
僕がKyashのチャージ用として使っているのは、リクルートカードです。還元率はどこでも1.2%、年会費は無料です。

もともと僕は還元率2%のリクルートカードプラス(※)も持っているのですが、残念ながらKyashはJCBのクレジットカードによるチャージには対応していません。
そのため、Kyashのチャージには通常のリクルートカードを使っています。
リクルートカードは還元率が1.2%ですから、Kyashのキャッシュバック率2%と合算すると、計3.2%お得ということになります。
※リクルートカードプラスの国際ブランドはJCBのみ。また、2019年9月現在、リクルートカードプラスの新規申し込み受付は停止しています。
―――実際、Kyashとリクルートカードの合わせ技で毎月どれくらいのポイントが貯まるのでしょうか?
毎月の利用金額を12万円とした場合、リクルートカードのポイントで1ヵ月1440ポイント貯まります。さらに、Kyashで2400円分キャッシュバックされます。
リクルートポイント1Pを1円換算とした場合、ひと月あたりの還元額は3840円。年間に換算すると、4万6080円です。これは大きいですよね。
――還元率1.2%を超えるカードはほかにもあるのでしょうか?
近年、クレジットカードの還元率は改悪が続いています。
もともと僕は還元率1.5%のリーダーズカードを愛用していたのですが、還元率1.5%から1.25%に変更されてしまいました。
―――還元率1.25%のリーダーズカードのほうが、還元率1.2%のリクルートカードよりもお得なのでは?
そうなんですが、リーダーズカードはポイントが付与される条件が複雑で。詳しい説明は割愛しますが、結局いくら還元されるのかわかりづらいんです。
また、リーダーズカードは1000円ごとに11ポイントが付与されますが、リクルートカードは100円につき1ポイントが付与されます。たとえば999円買い物した場合、リーダーズカードのほうはちょっと損してしまいます。
結局、ポイントプログラムがわかりやすく、損を最小単位におさえられるクルートカードに落ち着いています。
ただ、クレジットカードの還元率は常に変わりうるものなので、毎日最新情報をキャッチして、いつでも乗り換えられるようにしています。
――では、現時点ではKyashを使うのであれば、リクルートカードが最適、と。
そうですね。一般カードのなかで相性がよいのはリクルートカードだと思います。年会費も無料なので、持っていて損はないカードでしょう。
ただ、せっかくリクルートカードを持つのであれば、じゃらんやホットペッパー、ポンパレなどのリクルートサービスを利用したほうがより恩恵を受けられます。
――池さんは貯めたリクルートポイントはどのように使っているのでしょうか。
リクルートカードで貯まったリクルートポイントは、基本的にはリクルートのサービスでしか使えません。しかし、リクルートポイントをPontaポイントに交換すると活用の幅が一気に広がります。
僕のおすすめは、ローソンの「お試し引換券」と交換する方法です。
LoppiでPontaポイントを使って「お試し引換券」を出力すると、飲み物やお菓子などと交換できるんです。コンビニの売値100円の商品が、30ポンタポイント(=リクルートポイント30P分)で手に入るというわけです。引換券を発券する手間はかかりますが、貯めたリクルートポイントを使い倒すという意味ではおすすめです。
リクルートポイントのまま使うのであれば、じゃらんで宿代、ポンパレモールで書籍代にあてるのも良いですね。僕は本を購入するときはポンパレモールを使うようにしています。本はどこで買っても同じ値段ですからね。
<池さんおすすめの「リクルートカード」の詳細を見てみる>
【まとめ】万人に合うカードはないからこそ、80点のクレカ×Kyashで今よりちょっと得しよう
――Kyashはどういう人におすすめしたいですか?
誰でもプラス2%のキャッシュバックを得られるので、クレジットカードやデビットカードを持つ全員のおすすめしたいです。
特定の店舗やサービスで還元率が3%、5%とアップするクレジットカードはたくさんありますが、買い物のたびにクレジットカードを使い分けるのは大変です。どのカードで何を買って、銀行口座はこれで…と管理するのも面倒。残高が不足していると、支払い遅れにもつながります。
その点、Kyashを持っていれば、支払い時は一枚のカードで済みます。2%以上の還元率になる優待店はありませんが、どこでも80点がとれる優秀なカードといえるでしょう。
――最後に、Kyashに興味を持っている方へメッセージをお願いします。
クレジットカードだけでは高い還元が望めない今、Kyashとクレジットカードの合わせ技で得するという選択を皆さんにおすすめしたいです。10月に控える増税に立ち向かうためにも、持っておいて損はないはずですよ。
終わりに
取材を通してKyashのお得さを実感した筆者も、早速Kyashのリアルカードに申し込んでみました。…が、カードが届いた翌日、2%キャッシュバック終了のお知らせが…。
動きが早いキャッシュレス業界だからこそ、お得な情報をいち早く手に入れ、「これはお得だ!」と思ったらすぐに行動することが大事なのかもしれません。