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この記事の監修者:鈴木裕介
06~14年まで大手クレジットカード会社に勤務。現在はクレジットカードに関する耳より情報を多くの人に届けるために活動中。
「クレジットカードの審査内容や、審査通過ラインの情報は世に出回っておらず、完全なブラックボックス状態。カード会社に勤務していたからこそわかる審査の全容と、審査落ちの理由を紹介します。」
クレジットカードの審査基準とは?難易度と合否が分かれる信用情報機関
審査基準は、クレジットカード会社によって異なります。
ですが根幹では共通した審査基準があります。それが3Cです。
- Capacity(能力)
- Character(性格)
- Capital(資産)
Capacity(能力)では、借りたお金をきちんと返済する能力があるかが見られます。
スコアリングの項目で言うと雇用形態や年収がその対象です。
Character(性格)では借りたお金をきちんと返済する誠実さがあるかどうかが見られます。
クレジットカード会社は信用情報機関で支払い遅れの有無などを調べられます。
そこでマイナスの情報があると信用できない人と思われ、審査落ちのリスクが高まります。
Capital(資産)では住居年数や住所種類が確認されます。
これらの項目を点数化したものがスコアリングで、これと個人情報をもとにクレジットカード会社は審査します。
上記のように各クレジットカード会社は、審査時にスコアリングシートで申込者の情報を点数化します。
そのスコアが基準を満たしているかどうかで審査の合否を判断します。
では具体的に見ていきましょう。
わたし点数化されてた!審査通過を決めるスコアリングシート全9項目
スコアリングシートに記載されている項目は全部で9つあります。
- 年齢
- 職業・雇用形態
- 年収
- 勤続年数
- 他社借入額
- 居住形態
- 居住人数
- カード枚数
- カード滞納履歴
下記にスコアリングシートの例を紹介します。
項目 | 申込者の情報 | 点数 |
---|---|---|
年齢 | 31歳 | 25点 |
職業・雇用形態 | 会社員 | 60点 |
年収 | 500万円 | 50点 |
勤続年数 | 8年 | 40点 |
他社借入額 | 40万円 | 20点 |
居住形態 | 賃貸マンション | 20点 |
居住人数 | 1人 | 20点 |
カード枚数 | 2枚 | 50点 |
カード滞納履歴 | なし | 125点 |
合計 | 410点 |
※上記の表はスコアリングの説明のために作成した一例で、実際の点数ではありません。
これらの各項目の点数の合計が基準を満たせば、クレジットカードが発行されます。
スコアリングの合計点はカード会社によって異なるものの、点数が高いほど審査に通過しやすくなります。
スコアリングの点数が高ければクレジットカードの審査に通りやすいかどうかを可視化できることに加え、融資も受けやすくなるというメリットがあります。
そのスコアリングも可視化することができて融資も受けられるサービスを提供している会社の一つがJ.Scoreです。
あまりなじみのない名前かもしれませんが、株式会社J.Scoreはみずほ銀行とソフトバンクが共同で作った会社です。
年齢や年収などを入力するとAIが信用力と可能性をスコア化してくれ、その結果から融資をしてくれます。
スコア算出の手順は
- メンバー登録
- チャットで入力
- スコア算出
と、とても簡単です。ちなみにデモスコア体験もできます。
次にスコアリングの項目のうち、カード滞納履歴が与える影響について紹介します。
クレジットカードの審査に大きく影響を与える滞納履歴と信用情報機関

クレジットカード会社は、利用者の過去の利用実績を調べるために、「信用情報機関」の情報を調べます。
国内にある3つの信用情報機関が、それぞれCIC、JICC、KSCです。
延滞した情報や申込み情報を共有するこの3機関の情報交流をCRINと言います。
カード会社が信用情報機関から特に見ている情報は、
- スマホ本体代金割賦代金の滞納はないか
- 奨学金の返済に滞りはないか
- 住宅ローンや家賃の滞納はないか
- クレジットカードの滞納はないか
- キャッシングやカードローンの借入残高はいくらか
たとえば奨学金の返済、クレジットカードを使用した回数、預金残高、過去の不正利用なども、クレジットカードの審査には影響があります。
一見関係なさそうに見える情報が、クレジットカードの審査落ちにつながる原因となり得るのです。
補足ですが、調べたところ確定申告関連の情報は信用情報機関に登録されません。
では、これらの過去の利用実績を集約する信用情報機関はどのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

クレジットカードの審査時には、住宅ローンのほか、教育ローン、マイカーローンといったローンもチェックされます。どういうカラクリでチェックされるのか、次の項目をご覧ください。
信用情報機関(1)CICが管理する情報と役割
信用情報機関のひとつに、CICという機関があります。CICとは「CREDIT INFORMATION CENTER」の略で、6億件を超える個人の信用情報を管理しています。
おもにクレジットカードの利用履歴が登録されているため、ほぼすべてのクレジットカード会社と、他に信販会社や銀行系金融会社などが加盟しています。
CICが登録している個人信用情報
本人を特定する情報(氏名、生年月日、電話番号及び運転免許証等の記号番号等)・クレジットカードの契約年月日・契約の種類・残債額・返済状況・入金状況・終了状況・登録会社名など。

上の画像は、CICが保管しているクレジットカードの入金状況のデータです。問題なく支払いが行われると「$」が付き、支払い遅れが起こると「A」が付きます。一部入金された場合は「P」が付きます。
下記に、入金状況に表示される記号を紹介します。
マーク | 意味 |
---|---|
$ | 入金完了 |
P | 一部入金あり |
R | 本人以外から入金あり |
A | 未入金 |
B | 本人の事情とは無関係の理由で未入金 |
C | 未入金(原因不明) |
ー | 請求なし・入金なし |
空欄 | 情報なし(カード未利用等) |
入金状況の欄に「A」や「P」が付くと、審査に落ちる可能性が高くなるので、支払いはきちんと済ませましょう。
信用情報機関(2)JICCが管理する情報と役割
JICCとは、消費者金融会社や保証会社が加盟している信用情報機関です。
おもにキャッシングやカードローンなどの情報を管理しており、クレジットカードのキャッシングを使用した場合は、JICCに情報が登録されます。
JICCが登録している個人信用情報
本人を特定する情報(氏名、生年月日、電話番号及び運転免許証等の記号番号など)、登録会員名、契約の種類、契約日、貸付日、 契約金額、貸付金額、保証額等、入金日、入金予定日、残高金額、完済日、延滞等、債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、 破産申立、債権譲渡など。
CICとJICCはそれぞれ別の信用情報機関ですが、キャッシングの借り入れ額や金融事故などの情報は共有されています。
信用情報機関(3)KSCが管理する情報と役割
KSCとは、全国銀行協会が運営している全国銀行個人信用情報センターの事です。おもにクレジットカードやカードローンなどの申し込み情報や契約情報、取引情報や官報情報を記録する信用情報機関です。
※官報情報とは?…官報によって一般公開された自己破産の情報
過去の利用実績が残る期間
信用情報機関ごとに、長期延滞の記録の保有期間は異なります。
信用情報機関 | 保存期間 |
---|---|
CIC(シー・アイ・シー) | 5年 |
JICC(日本信用情報機構) | 1年 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 5年 |
クレジットカードの審査落ちの原因がわからないときは、CICやJICCに過去の利用実績を開示請求してみるとよいでしょう。
CICはネットで情報開示できるので、公式HPを参考に申込みましょう。
JICCはネットや郵送・窓口で申込み可能ですが、申込みの際に名前と電話番号が結びつかないと情報開示を申請できません。
KSCはセンターへの輸送での申込みのみ可能です。
あなたの信用情報に「異動」という記録がある場合はいわゆるブラックリストということになります。
過去に自己破産や債務整理といった官報に載るような出来事があったのであれば、それが原因で審査に落ちたのかもしれません。
異動情報は最低でも5年間は記録されます。再び申し込みする場合は、信用情報機関にいつまで記録が残るのか確認し、社会的信用が回復したあとに申し込みましょう。
クレジットカードの審査難易度と適切な選び方
クレジットカードを系統別に分けると以下の4つに分けられます。
系統別クレジットカードの代表例 | |
---|---|
銀行 |
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信販系 |
|
流通系 |
|
消費者金融系 |
|
「クレジットカードの審査に落ちたくない…」「どうして何回も落ちるの…?」
このような方は、審査に落ちたカードの種類を確認して、それよりも審査の難易度が低いとされるカードに申し込むと、審査に通る可能性があります。
たとえば、いわゆる「流通系」と言われる楽天カードの審査に落ちたのであれば、次に申し込むクレジットカードは消費者金融系のACマスターカードも検討してみましょう。
クレジットカードの利用履歴がない「スーパーホワイト」とは?
今までクレジットカードやカードローンを使ったことがなく、信用情報機関に記録がない人をスーパーホワイトと言います。
20代の人は、カードやローンの利用実績がなくても不自然ではありませんが、30代以上で利用実績が全くないと、クレジットカードの審査に落ちる可能性が高くなります。
信用情報に記録が全くなかった場合、まずカード会社はその人が金融事故を起こしたのではないかと考えます。
金融事故を起こして異動情報が登録されると、5年間は金融サービスを利用することができないので、新たな信用情報が追加されることもありません。5年経過して異動情報が消え、金融事故の登録期間が終わると、信用情報の記録が全くない状態に戻ります。
これが、スーパーホワイトと言われる由来です。
全くクレジットカードを利用したことがない人と金融事故を起こして5年間経過した人の信用情報が似ているため、30代以上のスーパーホワイトの人は「金融事故を起こしたのでは?」と判断されて、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
スーパーホワイトにならないうちにクレジットカードを作り、利用実績を作るのもよいでしょう。
クレジットカードを作ったことがない30代以上の人でも、セディナカードJiyu!da!に申し込めばクレジットカードを発行できる可能性があります。
次は、クレジットカードの審査に落ちる理由とその対処法について説明します。
クレジットカードの審査に落ちる7つの理由と否決後の対処法
クレジットカードは、社会的信用の有無によって入会できるかどうかが決まります。
次の7つの質問のうち、どれかひとつでも当てはまるものがあれば、それが原因で審査に落ちているのかもしれません。
- 過去にローンやクレジットカードの利用料金、スマホの端末割賦代や奨学金の支払いを滞納したことはありませんか?
- 自己破産、債務整理、任意整理、強制解約になったことはありませんか?
- 収入が安定せず、勤務年数が1年未満ではありませんか?
- 他社からの借入額が年収の3分の1以上ではありませんか?
- 申し込み情報に虚偽を記載しませんでしたか?
- 直近半年で、4枚以上のクレジットカードに申し込みませんでしたか?
- 未成年で、親権者の同意を得ないまま申し込みをしませんでしたか?
このほかにも、申し込んだカードの審査基準に届かず、審査に落ちた可能性もあります。
残念ながら、なぜ通らないのかを直接カード会社に問い合わせても詳細は教えてもらうことはできません。
ただ、原因をおおよそ特定させる方法はあります。
落ちる要素が全く見つからないのに審査落ちしてしまった場合にやるべき原因特定方法を次に紹介します。
クレジットカードの審査に落ちる原因を特定する3つの手順
上記でスーパーホワイトを含めて審査に落ちる7つの項目を紹介しました。それにも当てはまらず、何が原因かわからない場合は下記の3つの手順でおおよその原因を特定することができます。
何も理由なしに審査に落ちることはありません。
- これまで使った電話番号、住所を全て洗い出す※ポケットWi-Fiにも番号が振られているのでそれも全て書き出す
- それらをもとにCIC,JICC、KSCから個人信用情報を取得する
- 開示されたものの中に支払い忘れがないか再度確認する
今までの電話番号とは、実家や勤務先、ポケットWi-Fiや会社から支給された携帯など自分が持っている全ての電話番号のことです。
住所も同様に、実家、勤務先、生活していた家の住所を全て把握している状態にしましょう。
上記のものがそろった状態で個人情報を取得すると、全ての情報を見ることができるため審査落ちの原因を特定しやすくなります。
開示した情報の中に”異動”や”未払い””滞納”があった場合それが審査落ちの原因です。
そういった過去の利用実績における負の要素がない場合は年収が足りなかった、勤務年数が足りなかった、と判断していいでしょう。
その場合は、審査難易度が低いとされるカードに申し込めば、審査に通る可能性は高くなるでしょう。
クレジットカードの審査に落ちたら、最初にやるべきことは利用実績を作ること。そして、何らかの未払い分があれば早急に完済することです。
どこか1社のクレジットカードの審査に落ちたとしても、しっかりと利用実績を積み、身の丈にあったカードに申し込めばカードを発行してもらえる可能性は十分にあります。
もし、なかなかクレジットカードの審査に通らない場合は、ACマスターカードも検討してみましょう。
ACマスターカード | |
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クレジットカードの審査とは?発行までの流れと必要な本人確認書類
クレジットカードを発行する際には、必ず審査があります。審査とは、クレジットカード会社が「この人はきちんとお金を返してくれるかな?ウチに損失を与えたりしないかな?」と判断するものとも言えます。
クレジットカード会社側からすると、利用料金の滞納者が大勢いると破産してしまうリスクがあります。
そのような状況にならないためにも、カード会社は厳正に審査をして、正しく利用してくれる人にカードを発行する必要があるのです。
この事実をふまえて、審査の具体的な流れを紹介します。

唯一審査がないカードとして「デビットカード」があります。デビットカードとは、使用するとすぐに銀行口座から直接引き落としがかかるカードのこと。カード会社はお金を立て替えずに済むうえ、滞納や延滞のリスクもないため無審査なのです。
クレジットカードが発行されるまでの流れと必要書類
クレジットカードを手に入れるためには、大きく分けて5つのステップがあります。
- 公式サイトから必要情報を入力して申し込む
- カード会社が審査基準に沿って、申し込み内容を確認する
- 申込者本人の在籍を確認するために、会社または自宅に連絡が入る
- メールまたはハガキで審査結果通知が届く
- 審査に通過した場合、本人限定郵便でクレジットカードが郵送される。本人確認後、カードが手に入る
上記1~5のステップを詳しくみていきましょう。
必要情報を入力して申し込む
クレジットカードは、各カード会社の公式サイトより申し込みます。WEBまたは取り寄せた書面で、次のような個人情報を記入しましょう。
- 名前
- 現住所
- 生年月日(年齢)
- 電話番号
- 固定電話の有無
- メールアドレス
- 現在の勤務先
- 勤務年数
- 年収
- 世帯収入
- 預貯金額
- 希望限度額
- マイナンバー※カード会社による
- 大学名(学生の場合)
審査が不安だからといってウソの情報を記入すると、審査落ちのリスクが高くなってしまうだけです。カード会社が正確に審査できるように、正しい情報を記入しましょう。
カード会社が審査基準に沿って、申し込み内容を確認する
申し込みが完了するとカード会社はその情報をもとに機械で点数化をしていきます。
年収や、勤務年数、居住形態など様々な項目が点数化されてカード会社の基準値に達しているかを判断します。その後、金融担当者が確認して問題なければ在籍確認に進んでいきます。
申し込み情報を送付すると、本審査に進み、「在籍確認」が入ります。「在籍確認」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
審査時にかかってくる在籍確認の電話とは?
クレジットカードの審査が進むと、本人確認のためにカード会社から電話連絡が入ります。この本人確認のための連絡が「在籍確認」です。
在籍確認でカード会社が確認していることは、次の2点です。
- 勤務先は本当に存在するのか
- 申込者本人が本当に会社に在籍しているのか
電話で在籍が確認できない場合、クレジットカード会社は正しい審査ができないと判断し、否決(=審査落ち)とします。
カード会社からの電話には、必ず出るようにしましょう。
クレジットカード会社は申込者のプライバシーを尊重して、カード会社名ではなく個人名を名乗って職場に連絡します。
そのため、会社の人にクレジットカードを申し込んだことがバレることはほとんどないと言えるでしょう。
「私以外の会社の人が電話に出たら、どうなるの?」という方もご安心を。在籍確認は、申し込み者の在籍が確認できれば問題ないため、あなた以外の会社の方が電話に出ても問題ありません。
アルバイトをしている学生も同様です。あらかじめバイト先の店長や、事務員の方に電話があることを伝えておくとよいでしょう。

クレジットカード会社による在籍確認は、本人が電話に出なくても、あなたが在籍していることがわかればOK。たまたま外出中、離席中、休暇中などで席にいなかったとしても、会社に所属していることがわかればよいのです。
在籍確認が終わると、いよいよ審査結果が送られてきます。続いて、審査結果を確認する方法を紹介します。
クレジットカードの審査結果の確認方法と結果が出るまでの期間
審査結果を確認する方法は、2つあります。
- 郵送される通知書を確認する
- 公式サイトの会員専用サイトで審査状況を確認する
楽天カードやdカード、イオンカードなどは会員専用サイトで審査結果を確認することができます。
一般的には、クレジットカードの審査~発行までの平均日数は約3~7日です。申し込みから結果通知までの期間は、早ければ1日で完了することもあります。
「なかなか審査結果が届かない」「審査状況の反映が遅い」という場合は、コールセンターへ連絡することをおすすめします。
なお、最短即日で発行されるカードの代表格は、ACマスターカードというクレジットカードです。
続いて、クレジットカードを受け取る際に準備すべきものを紹介します。
クレジットカードの受け取りは本人以外は不可!本人限定受取郵便に必要なもの
無事審査に通過すると、「本人限定受取郵便」でクレジットカード本体が配達されます。
「本人限定受取郵便」は、その名の通り本人しか受け取ることができません。たとえ家族や配偶者であっても、受け取れません。
本人を証明する書類は、次の3つが基本です。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード(顔写真があるもの)
本人確認書類は顔写真つきのものでなければなりません。また、健康保険証やマイナンバー(カードではないもの)、住民票といった書類単体では受け取ることができないため、注意しましょう。
結婚や離婚で苗字が変わった場合、証明できる書類が旧姓のままだと受け取りができません。まずは証明書類の名義を今のものに変更してから、カードを申し込みましょう。
なお、本人限定受取郵便には期日があります。もし受け取りが間に合わなかった場合、再びイチから申し込むことになりかねないため、早めに受け取るようにしましょう。
ここまで、審査に関して一通りの流れを紹介してきました。クレジットカードの審査に落ちないためには、この流れを理解してから申し込みましょう。