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クレジットカードのブラックリストとは
ブラックリストとは、クレジットやローンの契約内容や返済状況などを記録する「個人信用情報機関」に、延滞情報や事故情報が記録されることを意味します。
厳密にいうと「ブラックリスト」と呼ばれる名簿やリストは存在せず、あなたの「信用情報」になんらかの記載がされたことを、俗に「ブラックリストに載った」と表現します。
ここからはわかりやすくするために、あえて「ブラックリスト」という表現を使います。
ブラックリストに載る条件(延滞、自己破産、多重申込など)
ブラックリストに載る条件は、大きく4つに分けられます。
条件1.クレジットカードやキャッシングの支払い遅れ
クレジットカードの利用金額や、キャッシングで借り入れたお金の返済が遅れると、個人信用情報機関に「この人は返済が遅れています」という延滞情報が記載されます。
1日でも返済が遅れると「延滞情報」が、61日以上返済が遅れるとさらに深刻な「金融事故」として記録されてしまいます。
初めての支払い遅れで、1日程度だと記録に残ることは稀といわれています。そのため支払い遅れに気づいた時点で、すぐにカード発行会社に電話することが大切です。
条件2.自己破産、債務整理
自己破産や債務整理を行った場合も同じく「金融事故」として扱われます。
自己破産や債務整理は私たちの権利の一つですが、貸した側からすると返済されるお金が減額したり、お金を返してもらえなかったりすることにつながります。「次からはお金を貸したくない」「信用できない」と判断されてしまうのです。
条件3.クレジットカードの多重申込
一般的にクレジットカードを1ヶ月の間に3社申し込むと、いわゆる「申し込みブラック」という状態になることがあります。
クレジットカードを申し込むと、信用情報機関にはカード申し込みの記録が残ります。
そのため、短期間に複数のクレジットカードを申し込むと「お金がなくて金策をしているのでは?」「借りるだけ借りて、踏み倒すのでは?」「入会特典が目当てで、すぐ解約するのでは?」と判断されてしまいます。
クレジットカードの申込情報は最大6ヶ月間保存されます。
「クレジットカードを持ちたいけど、審査に通るか不安。いくつかのカードに申し込もう」と考えている場合、多重申込は審査に悪影響を及ぼす可能性があると心得ましょう。
お小遣いサイトなどを経由して、ポイント目的でクレジットカードをたくさん申し込むのもリスキーといえるでしょう。
条件4.携帯電話や奨学金の滞納
携帯電話や奨学金の滞納も、信用情報に関わっています。
携帯電話の機種代金の分割払いはクレジット契約になっており、支払いに遅れると信用情報に記録が残ってしまいます。
2008年までは、奨学金を滞納しても記録が残ることはありませんでした。
しかし長引く不況や就職難で奨学金の返済率が下がったことから、2008年11月から滞納者のみ信用状が記録されることになったのです。
奨学金の返済が3ヶ月以上遅れてしまうと、初めて金融事故として信用情報期間に載り、結果ブラックリスト入りすることになります。
奨学金は支払いが滞った場合のみ情報が掲載されます。延滞しなければ、奨学金を借りていることがカード会社に伝わることはありません。
ブラックリストに載ったらどうなる?3つの影響
いわゆるブラックリストに載ると、各種審査に通りにくくなるなど、日常生活に影響が出るおそれがあります。
影響1.クレジットカードが作りにくくなる
ブラックリストに載ると、新規のクレジットカード発行が難しくなります。
クレジットカードの審査では、カード発行会社は必ず個人信用情報を取り寄せ、申込者がきちんと返済する人物なのか審査を行います。
審査の際、信用情報に延滞情報や金融事故情報の記載があると「信用できない人だ」と判断され、クレジットカードの審査通過が難しくなるのです。
影響2.お金を借りにくくなる
ブラックリストに載ると、消費者金融や銀行からお金を借りることが難しくなります。
クレジットカードと同様、消費者金融や銀行も信用情報を取り寄せ、その人が信頼できるかどうかを判断します。ブラックリストに載っていると、それだけで「信用できない」と判断される材料になるのです。
影響3.ローンが組みにくくなる
住宅ローンやマイカーローンなども、影響1や2と同様の理由で組みにくくなります。
ただし、ローンが組めるかどうかは、「勤続年数」や「安定した収入の有無」といった別の要素でリカバリーできる可能性もあります。
いつブラックリストから情報が消えるのか、という点はケースバイケースですが、安定した収入を継続的に確保できるよう務めましょう。
ブラックリストに載っても影響がないもの
ブラックリストに載っても、影響がないものもあります。
家族に迷惑はかかるのだろうか?就職に不利なのだろうか?という疑問を解消していきましょう。
家族の影響はない
信用情報は、あくまで「個人」で作成されます。
そのため、もし金融事故情報を記載され、ブラックリストに載ってしまっても、原則家族や子どもには影響がありません。
ただし例外は、自らの収入がない専業主婦(主夫)や学生の場合です。
この場合、「本人には収入はないが、配偶者(親)に返済能力があるか」という点も審査基準となります。結果、配偶者や親がブラックリスト入りしていると、審査に落ちてしまう可能性があります。
就職・転職への影響も原則はない
ブラックリストに載ってしまったとしても、子どもや自分の就職・転職には原則影響はありません。
個人信用情報を保管しているCICやJICCは、信用情報の利用を社員の採用基準に用いることを認めていないためです。実際、信用情報機関のWebサイトにも次のような記載があります。
信用情報機関に登録されている信用情報は、社員採用の事前の審査、DM発送などに利用することは禁止されています。
出典:「信用情報機関の役割」(JICC 指定信用情報機関 株式会社日本信用情報機構)
奨学金が止まることはない
現在すでに奨学金の支給を受けている場合は、奨学金が止まることはありません。
奨学金が止まる原因は、奨学金継続願を提出しない場合と学業不振の場合です。
親や自分の信用情報は問題ではないため、奨学金の申請にすでに通っている場合は影響ありません。
ただし、ブラックリストに載っていると考えられる親がこれから奨学金を申請する場合は、保証人をたてるなど対策が必要です。
ブラックリストに載っているかどうかの確認方法
「クレジットカードの審査に通らない」「ローンが組めない」
「いつかは覚えてないが、支払いが遅れてしまったことがある」
そんな場合は、一度自分の信用情報を確かめてみましょう。
ブラックリスト入りかわからないなら、信用情報機関で確認しよう
自分の信用情報は、信用情報機関から個人で簡単に取り寄せられます。
信用情報を見れば、過去の延滞の有無や、クレジットカードやローンの契約状況などがわかります。
クレジットカードの信用情報を取り扱っているCICの場合、インターネット・郵送なら1000円(税込)、窓口なら500円(税込)で信用情報を開示請求できます。

郵送だと少し時間がかかりますが、スマホやPCならサービス時間内(8:00~21:45)であれば、すぐに結果がわかります。悩んでいる前に確かな情報を調べましょう。
信用情報の見方
信用情報を取り寄せたら、資料最下部に記載されている「入金状況」を確認しましょう。
「$」「‐」というマークだけが並んでいるなら、いわゆる延滞情報や金融事故情報はないということ。
しかし入金遅れを表す「A」や、一部だけ入金を表す「P」がある場合は、いわゆる「ブラックリストに載った」という状態かもしれません。
ブラックリストに載ったらどうすればいい?
一度記録された事故情報や延滞情報は、保有期間内は消すことができません。事故情報に限らず、個人信用情報機関に記載された情報は削除できないのです。
ただし個人信用情報機関には、5年~10年という記録の保有期間が決まっており、保有期間を過ぎれば記録は抹消されます。
信用回復のため安定した職につく、預貯金を心がけるといった安定した生活を続けることで、新しい信用トラブルを防ぎましょう。
まとめ
- ブラックリストとは、個人信用情報機関に延滞情報や事故情報が記載されることを示す俗語
- ブラックリストに載ると、クレジットカードや各種ローンの審査に通りづらくなる
- 信用情報に記録された延滞や未入金の情報は、一定期間は消せない。焦らず生活を安定させることを心がけよう